舞ひあそぶ

神楽のこととか、備忘録の掃き溜め。

獅子の声は空高く

獅子について。

このブログの素晴らしいところは、キーワードによって辞書みたいなのが引けるところですね。
大神楽」は獅子頭をもった神職?が集落をまわってまあようは悪魔祓いなどの祈祷をする系統なのだそう。もとは外宮の神官が始めたみたいなことも見た気がするけど…気のせいかも。熱田辺りも関係がありそう。

とにかくそれがまあ全国的にひろまったということですね。

で、いまある伊勢の大神楽は確か専属集団で女物の着物着たりして大道芸に似たものなんじゃあなかったでしたっけ。
鳥取だったかな…あそこら辺りまでまわっているはずですが…うろ覚え。


東北では、鹿踊のぷりちーな鹿ちゃまと頭の系統が酷似していて、真っ黒で目の鋭い小振りな獅子頭が多い。
めっちゃ個性があって、大神楽系の頭もありますが、だいたいは頭は入らないサイズなので片腕を差し入れて舞います。

「権現」様、といって、獅子頭そのものが獣であり神であり、人にも近い。
舞をね、見ているとすごくその表情が豊かなのです。

首を振りながらガチガチと歯噛みをされるときはまるで猛々しい獣。でも胴の幕布?で口元を隠してじっと楽に耳を傾けておられるときは凛とした神の姿。人の頭を噛むときはお互いに一礼をして少し頭を傾げて近づいてくる穏やかさがある。

いとおしい神様です。


権現様ももともとは集落をまわって、家々の火伏と悪魔祓いの祈祷と歯噛みをしていたと聞きますので、やっぱり根本は大神楽から来ているのでしょう。宗教者の移動から考えてもそう。

でも、大神楽獅子頭が権現様なのかが、よくわからないのです。

師匠に教えてもらったことには、浜田のお宮にも獅子頭はあって、ご神幸のときにお神輿の前を歩き歯噛みしてまわると。
おそらく、他の地域でもだいたいそうなのではないでしょうか。

ということは、お神輿に乗ってる神様とは別物の何者か、なのですよね。

東北では、獅子頭そのものがご神体だったので「権現」様なのですけれど。
大神楽の説明を読む限りでは、大神楽獅子頭も権現なのでしょうが…そうしたら、お神輿に乗っておられるのは、誰?
祖先神?氏神?じゃあ獅子頭は何の神の姿?


むーーーわかりません。



まわり神楽のようなものは見たことがないので、いつか見てみたいですが、ご神幸は神様が見守っておられる氏子たちや地域を見てまわる、大切な時間ですので、よそものはあんまりいたらいけんかなとも思ったりします。難しい~。



そういえば、妓楽面の時代からほとんど獅子頭って変わっていないんじゃあないかな。

権現様は特殊だけど、大神楽系の獅子頭は、本当に大陸から伝わった当初からほとんど変わらないはず。その当時から可動式の木彫り面というか…被り物を作る技術があるってすごいですよねー。
あー、萌え。