舞ひあそぶ

神楽のこととか、備忘録の掃き溜め。

ひらさ

今日はうってかわって怠惰に過ごす日。ねむねむ。
明後日は無事に飛行機が飛ぶのでしょうか。


神楽三昧一日目のこと。


納品ついでに写真を撮らせてもらいにあちこちうろうろして、くっそ苦いゴーヤジュースごちそうになったりなんだりしながら、最後は棚田で有名な上田、平佐集落へ。

この前棚田の撮影に行ったときは、会社の人たちと二度と来られんような場所だねと言っていましたが、まさか行くことになるとは。しかも一人で、夜に。ひー!

暗くなる前に行ったら、たまたま世話人さんたちがおられて、私のお世話もしていただいてしまったのでした。うふっ
一人でお祭りへ行くのは本当は抵抗があるのですが、最後まで誰かしら気にかけて、声かけてくださったりして、ありがたかったのであります。いろいろ土地のお話も聞けたし。いい方たちだ~。


もともと棚田は鉄穴流しの跡に築かれたもの。とくにこの地区は、本当にその名残を感じさせる美しい棚田があります。
上田のほうが谷間にあって小さめの田んぼが多くて、平佐の方は少しひらけているかな。山の麓というかヘリにくっつくように赤瓦が並んで、真ん中に田んぼが連なっている感じ。結構この景色が好き。

で、龍王堂という、祠というよりお堂がありまして、そこの四年に一度のお祭りなのだそう。
一村一社制度のときに上田八幡に合祀されたけれど、そうしたら土地に災いがおこるようになって、もともとおられた場所にお堂をたてて、分祀というか…お戻りいただいたというか。何て言ったらいいのかな。


花祭で、一番始めに榊鬼がヘンバイを踏むのは産土神の前ですが、その祠と思っていた場所も、そういえばお堂に似てたなあとふと思い出したりして。
今思えば、あれがこっちでいうところの祭典なのかもなあ。


あ、龍尾神社だ。思い出した。
リュウオウと呼ぶけど本当はタツオなのだと仰ってた。

結局なんの神様かはわからんかったけど、たたらの神。
金屋子さんではないといってたなあ。そうしたらオオヤマツミかな。

龍の尾、つまり大蛇の尾、大蛇の尾からは天叢雲剣。鉄。だから、たたらの神、なんだって。
面白いなあああ~
言葉遊びというか、関連性を分かってないと分からない仕組みになってるというか。昔の人ってすごいなあ。
こじつけだと、いってしまうのはナンセンス。

あのあたり、尾がつく神社が多いのはなんだろうなあ。


龍尾のお堂の隣には産土神の祠もありましたが、そっちはなんか暗くて遠目にご挨拶するに留めたのでした。
一昨日はブルーシートで屋根作ってたから見えんかったかもだけど、産土神が一番の特等席で神楽が見える位置におられる。


そんなこんな世話人の方たちから伺いながらの、ぶよにまた二ヶ所噛まれて痒いのに耐えながらの、なんかきゃいきゃい話しながら待っていたら、だんだんと雨が降りだしてきまして。

雨降りそぼつ、神楽かな。
とか思いつつ、かじやさんの「神降ろし」。
やまねさんの「曽我兄弟」あたりからは雷も光りはじめまして、あーどのタイミングで帰るかいなと思いはじめたりして。

あえて「天神」見たかったかも。
激しい雷雨の中の「天神」とか、終末感半端なさそう。

世話人の方たちと一緒にいたお兄さんが、付かず離れずの場所におられたのですが、わーヤバくなってきましたねえといっていましたら、かじやさんの「塵輪」からはもう雨足がひどく、ブルーシートの水がヤバくなってきて、かじやさんもさくさくっとはやめに進行。
写真は撮れなかったけど、まあ里神楽でヤンチャで激しめな塵輪を見られたから、今回は我慢です。というか雨がヤバすぎてそれどころじゃなかった。

そいで、地元有志の方々の「承平の乱」の頃には、ブルーシートが一部崩落したんじゃなかったかな。
うひー!と思いつつ端の方にいたのでお兄さんたちと水降ろし・屋根支え組に参加。
もー見た気がせん。

でもいろいろ考えさせられたのでそれはまたのちほど。

で、みさきはやらにゃあということで「御崎」だったかな?
神憑りすることに重きをおかない「綱貫」だ、って仰ってたかな。一部の歌はかじやさんとやまねさんしか伝えてないものだとのこと。それも面白い
なんかみんなビチョ濡れだけど楽しそうで、見ているこっちも屋根支えながらも楽しかったです。

県は跨いでるけど、かじやさんとやまねさんとこの土地はずーっと一緒に生きてきたんだろうなあ。
おもしろし。おもしろし。


もうどうにもならんとのことで、そこでお祭りは中止。
もともとみさきをみて撤退する予定だったので、良かったことには良かったですが、それにしたってなかなかに過酷な神楽でありました。



またひとつ、良い経験ができましたのです。