舞ひあそぶ

神楽のこととか、備忘録の掃き溜め。

面が並ぶとこわい

備中のほうはまだまとめていませんでした。
矢掛の薄荷茶がんまい。

映像は結局全然見られなかったんだけど、なんかの宮だか神だかに仕える某が、辻占みたいな実は安倍泰親?とちゃびちゃび話しているシーンだけ見ました。多分見た目の時代考証とかしたらいけんやつ。
……………あ!ということは「玉藻前」かな??
あの演目はスタメンっぽいから。

チャリは、それを見た感じ、ちょっとゆるやかかな。
泰親は畳み掛けるようではあるけど、どこかテンポがゆっくり。サクサクではない。

あっちの神側のビジュアルって、力紙でしたっけ?蛇腹に和紙を折ったやつがはりだしていて、唐冠系に見えますね。ちゃんとは見てないからわからんけども。

ただ、とりあえず大蛇は浜田の蛇胴を使っている気配。エビフライみたいな尻尾だったし。蛇頭はひなしさんに似てるかなとも思ったけど、あれは元々地域に伝わる顔っぽい。動いてるのはまだ見たことないけど
頭も、いわゆるベーシックというか、見慣れたサイズ感の「蛇頭」と、「小蛇」という半分くらい?3/4くらい?のサイズの蛇頭があるみたい。
そっちは、かぶって舞う感じではなさそうかなあ。
どっちかといえば、東北の権現様系っぽい。

自分が見たのは、なんかもう和紙が傷み朽ちかけて造形の細かいところとか色とかわけわからんやつ3体でしたけど、そのうちひとつは、針金で口まわりとか形作っていそうな感じ。補強というより骨っぽかったかなあ



それ以外、美星と文化財センターで見た面、

猿田彦
→わからないけど周辺の祭りを見た感じ、ご神幸の先やらいに獅子と猿田彦が出るっぽいのでそれの面?
赤い天狗面。

足名椎手名椎 字があってるかわからん
奇稲田姫
素戔嗚命
→多分「八岐大蛇」でしょう
スサは、べしみ系の顔に、口の両端にボボボッと剛毛そうなチョビヒゲ。書き込む場合もあるのかな?アゴヒゲはない。

思兼命
天照大神
手力男命
→「岩戸」?あれ、あんまり覚えてないや。それぞれものすごく特徴があるわけではなかったかも
オモイカネは、年齢が不詳っぽいなー。ものすごく老齢でも、壮年でもない。台形の顔の作りに、顔の外周に白鬢。あ、でも調べたら眉も白くて長かった。


建御名方命
→「国譲」?タケミカヅチがいたかわすれたけど、なかったのかなあ。あったかなあ。どの字だったか忘れた。
で、これがすごく典型的な鬼の姿。桃太郎に退治される系のほうね。ギザギザぶっとい眉毛に、金で塗ったでかいギョロ目、角と牙がある。
どーやったってあれは「鬼」だなあ。
出雲の人が鬼と呼ぶのは全部賊面だけど、あれは「鬼が出る」っていわれたら、うん確かにと思う。

大国主命
→大黒面。小振りなちりとり面位のサイズかも。つまり大きい。赤い、帽子?布烏帽子?

恵比須
→ほぼほぼ大黒面と相似。ただ、面のサイズは一回り二回り小振り。黒い帽子?


この2神は飴餅撒く要員でしょうね。
回り神楽、井原では「渡り神楽」で、一度途絶えた地域が復活させたとき、餅撒きを取り入れて、楽しめるようにしたというような記述をちらっと見ました。
あ、たまーに古いおうちで額にはっついて飾られてるのって、この大黒恵比須なのかな。なんでサイズの違う大黒がくっついてるのかなとか思ってたけど。
説明を見ると「国譲」ベースの説明になっているから、タケミナカタと一緒に親子3神で出るのかなあ。


その他謎なメンツ

松尾明神
→顔のパーツが重力に負けた感じというか、下に向かって歪んでる。ちと不気味。酒の神だからなのかな?目の回りにクマみたいな黒いのと、酔いどれみたいな赤い色が入ってる。

室尾明神
→ギョロっとした目が上を向いてる。口は、だらしなくニヤけた感じ。画像検索すると下向いてニヤけてる面が出てくるけど、見たやつは上向いてたと思う。
チャリ系統なんだろうけど、石見神楽面で例えられそうなの思い浮かばない。

稲脊脛命いなせはぎのみこと
→歌舞伎にありそうな感じでギュッと口一文字。唇の中央部分に力が入って、口角のほうはすこし開いてるというか。ちょっと上目遣い。

なんかちょっと調べた感じ、鼻の穴に和紙のこより詰めてるのが出てきた。オオクニヌシに仕える神で、松尾明神と一緒にチャリ…って余計にどんなストーリーなのかわからんな。

もうどんな演目で、どんなキャラクターなのか、まるでわからない。


面はやっぱり場所とか時代によって違うんだろうけど、文化財レベルの面だとこんな感じ。


蛇頭以外、和紙面なのか木彫り面なのかはわかんないけど…あんまり凹凸差はないような感じがしたかな。


なんかね、こわかった。


浜田面作られてる先生の工房の面は、綺麗すぎるくらい作り込まれた面だけど、壁にバーっとかけられていても、あんまりこわいという印象はなかったのね。
でも、美星も文化財センターも、それに比べれば全然数は少ないんだけど、なんかこわかった。何となくこわくて写真撮りたい気分にならなかった。

面をかけられたら多分また雰囲気変わるんだろうけど、ただ陳列されてるときは、なんか嫌だなあ。ってなって、早々に退散したのでありました。


不作で、残念。

スタディツアーもやっぱり人づてに生きた情報を得ないと難しいなあ。
改めて、石見の情報集積力というか、個人の神楽に対する感度の良さもスゴいなっておもったし、存分にスタディツアーをしてくださった師匠と、保護者にありがたいなあ。とおもったのでした。
あれがなかったら、現段階まで行くのにすごい時間かかったとおもう。

あーとどのつまり、結局のところやっぱり、師がいるから、なのだろうし、師がいることに感謝しなさいよってことなのよね。