舞ひあそぶ

神楽のこととか、備忘録の掃き溜め。

五郎さんのこと

五郎さんがどんな感じだったかのメモほど。
細かいとこの読みが間違えている可能性はおおいにありますが。

図書館に18世紀の原井組近辺の台本の写本がありまして。すんごく、読みにくいけども。
全部はコピーできんかなと思ったので、「五神」だけ。

備中神楽だったかな?の台本も、たしか歌はなくて口上だけしか載っていなかったのですが、前後にある他の演目は頭に「皇后」やら「黒塚」やらあるのに「五神」は題目もなくいきなり

春清(青)大王には甲乙の郡を所在として 春分正中を…

から始まっているので、欠落も考えられるのでありますが。
結局演目の名前もわからん。

詠み歌は、ほぼ同じかなあ。あるいは、音違い。

春青は頭の句まるまると一部が欠落しているので判断つかず。
夏赤は「早苗」が「榊」になってるけどそれ以外は多分一緒。
秋白は「龍田川」が「龍田山」。和歌的に紅葉にかかるのは龍田川なので、直したのかな?
冬黒が一番変わらない。

春青のオノコロ島云々は大体一緒。
群生繁栄の楽を奏で…とあるので多分ここで歌と舞があるんかなあ。
で、多分春青だと思われるのが
のうのう、なんか怪しいのが向こうから来るけど!っていって、使いが出てくる。ここは違いますなあ。しかもなんかどう言ったろうかと悩んだ形跡があって、いまいち判然としない部分もありました。

使いの口上とそれに対する四神口上のは大体一緒かなあ。
我はこれ~いかに末子なればとて所在のうては叶うまじ 早々分けて賜れとのことに御座候 プラス (それ)は思いもよらぬ~尋ね候え×四セット
いや、律儀!

やらんわ、言うてからが段々難読に。
ただでさえ古文書読解習うたことないもので。

あと、もしかしたら、このときに、口上の書き加えがあったのかしら?という感じに、空いた場所に読めたり読めなかったりする追記がこの辺りからちらほら。
この書き加えが、今の台本に近いことが書いてあったりして面白いのですが、なんといっても、かすれて読めん。


とにかく、
我が君は勇(猛)軍人(神)にましませば 甲冑を…
といって使いが引っ込んで、多分春青が
各々 御覧候え これより丑寅にあたり あやしき光海原を照らし…
といったら五郎さんが出てきて
御神達に物申さん
と、なるわけですな。

五郎さんは、名乗りから、いきなり
(それ)我が国 天地と共に神明現れ(給ふ故に) 国を神国といひ 道を神道といふ 道とは常の道にあらず 君臣父子夫婦兄弟朋友五倫の道な(り) 各々 身体髪膚を父母に受け 頭に七穴あるは…
って、ここはほぼいま通りかしら。
この部分の読み師匠に渡したやつはちょっと間違えてら。間違えましたよーししょー

あ、ただ、今の台本の
それ譬へて申さうならば 雲なくしては雨降らず~生まれ来ず
の2文はない。

これの返しの四神の口上は、
汝 末子なれば 未だ開闢の根(元)を知らず 仰いで~地の理を見よ
のあとに、解読できなかった一文あるのと、生老病死の四苦ありが「四季あり」ってなってたり、大筋は変わらないまでもちょっと違う。

そのあとの激オコの五郎さんは大体変わらんかなあ。

あと春青の
各々 御覧の通り猛虎のあれたる…もほぼ一緒。
四神の評議も一緒。地名?も一緒。

ほいで、
各々 御出征
のあとに、いきなりおじいが出てくる。ただ、どっかで「女」の字が見えるのよね…この所務分けをしたのは何者なのかはまたゆっくり見ないと。

口上はちょっと違うけど大体は今の台本と一緒。逆にこっちの方が語句が少し多い。

今一天四海万民の憂ひ いかがせん

もし混沌の世とならば 一天四海万民の憂ひ いかがせん
になってて、こっちのほうが、戦いの凄まじさが伝わる感じね。

日照殿月光殿根の尊が出てくる。ただここが、豊葦原の中津国に下り 各々五神に令命を下し給ふ ってなってる。

所務分けはほぼ一緒だけど、
寅卯を境に青き幣を立て~の一文が全員後付けされている感じ。

多分実際には、今みたいに随所で
畏まって候
が入っているんだとは思いますが、台本にはないので、おじいの登場から「舞を奏で候え」までずーーーっとおじい。超長口上。

これ無極にして大極と成る上は、以降は今とちょっと違う。
当村五穀成就以下はなし。舞じまいはわからない。
あと、どうも書かれた人も疲れてきたみたいで書きなぐっているのでそれまで以上に解読が難しい。ひょえー


あと最後に
うーん…祝詞なのかなあ。
国産みの話や竃神に関することとかなんかいろいろ書いてある。読めないけど。
最後が
~息災安穏に 夜の守 昼の護り(なり) 幸い(賜れ)と 敬白
でおしまい。
このひと区画はほんとによくわからんけど、一番大事なことが書いてあるような気もする。うーむ

このあとに「皇后」が来てたはず。


紙は残るんだなあ、としみじみなのですよ。


私自身は、神楽と共に育ち生きることなく、身のうちにない者だから、どんだけ頑張っても、二番煎じや先行資料の切り貼りしかできない。
でも、五神のことだけは、きちんと調べて、何かしらまとめたいなあ。まだゴールがわからんけど。