舞ひあそぶ

神楽のこととか、備忘録の掃き溜め。

くろつか

前に「黒塚」は、(石見弁が)何言ってるかわからんし、なんかネタ的によくわかんない。ってぶつぶつしたとき、でも「黒塚」はそれでも石見神楽の大切な演目なんよーって、教わったことがあるのです。

もともとは、夜明かし舞でしか舞わないし、なにより神仏分離令や、仏教要素排除の動きがあった時代に、それでも無くせなかった演目。

いわゆる、現六調子地域には無いやんってツッコミが入るかもだけど、そもそもあのあたりは夜明かし舞がまれであったのではないでしょうか。記録で見ると、能舞を奉ずる祭りが少ない。式年祭は神がかり神事がウェイトをしめるし。
例祭でも夜明かししちゃおーぜー!舞っちゃろーぜー!はお祭りが好きな?沿岸部の文化ともいえましょう。
もしかしたらだけど、執り行うお財布事情とかもあるのかもね。


鉄板ネタももちろんあるらしい。
ちょろっと聞いただけだけども。

いつか、ゴリゴリの、ほぼオンリー鉄板ネタの「黒塚」を見てみたいものであります。

鉄板ネタというのは、方言は早口だしちょっと難しいけど…でも、世代や環境とかを超えて笑えるからこその鉄板なんじゃないでしょうか。

だからこそ、難しくもある。

そのキャラクターたちがもつ雰囲気や、間合い、話し方、立ち居住まい。
名手はおられるはず。


その空間に身を投じてはじめて「黒塚」の本当の面白さが感じられる気がして。
ぜひいつか感じてみたいものであります。